「はい、忙しいです」と返答され、相手は言葉に詰まる
【忙しいですか?】
エレベーターなどでバッタリと会った別部署の人や取引先の人に対して、何も言うことがない場合によく使われる言葉だ。「お元気ですか?」だったら中身のない会話としてはアリだろう。同じスポーツチームが好きな人であれば「わが軍、最近好調じゃないですか!」なんて話しかけるのも悪くない。だが「忙しいですか?」は、正直どう答えていいのかわからない人が多いのではなかろうか。
「いやぁ~貧乏暇なしってやつですわ、ガハハ!」みたいな答えが模範的なのだろうが、やることがあって忙しいから今こうしてエレベーターに乗っているわけだし、あいさつの言葉として、この「忙しいですか?」がここまで市民権を得ている理由がよくわからない。
私はこの質問をされたら「はい、忙しいです」とシンプルに答えるようにしている。すると相手は「(えっ、これ、どうやって返せばいいの……)あぁ、そうですか……」と以降の言葉に詰まったりすることが多い。恐らく「いやぁ~、○○さん(質問者)ほどじゃないですよ!」といった答えが期待されているのだろうが、実際、相手がどの程度忙しいのか、いまどんな業務に追われているのか、私は知らないケースが大半なのだ。そのうえで自虐や謙遜の言葉をいちいち考えるのも面倒なので、そのまま「忙しいです」で済ませている。中身のない世間話も人間関係に必要なのはわかるが、できれば他のテーマでお願いしたい。
30分程度の時間、調整する気があれば空けられる
【パッツンパッツン】
前出の「バタバタ」と似た言葉だが、これもスケジュールが埋まりまくりで、時間的余裕がないことを意味している。ただ「バタバタ」よりはもう少し具体的な会話になることが多い。
たとえば、この言葉を多用する人に打ち合わせの相談をすると「イベント本番まではパッツンパッツンで一切時間は取れませんねぇ~。3週間後だったらおそらく大丈夫ですが、まだ予定が見えないところもあるので、改めて連絡してください」などと言われてしまう。
とはいえ、長期出張などで確実に不在な場合を除いて、たかだか30分程度の時間を空けることくらい、調整しようと思えば数週間も置かずにできるはずだ。「パッツンパッツン」とは、「当面、あなたのためにスケジュールを調整して、時間を取る気がありません」と言っているに等しい。「実際忙しいし、他のことに気を取られたくないのだから、仕方ないだろ!」という向きもあるだろうが、頻用されると相手はなえてしまう。