オーバーツーリズムを緩和する「質の観光」とは?
『観光亡国論』とは刺激的なタイトルだが、その言葉通り「観光は国を亡ぼす」「日本は観光立国の旗を降ろし、観光振興をやめよ」と訴えているわけではない。主旨は逆だ。観光業は21世紀最大の産業であり、少子高齢化・人口減少が進む日本を救う――その大前提に立って、観光先進国である欧米の取り組みなどを紹介しながら、これまでの延長線上にあるのではない、真の観光立国のあり方を提言する。「21世紀の観光立国論」と言ってもいい。
本書は、論点の整理、調査、検証を東洋文化研究者のカー氏とジャーナリストの清野氏の2人で行い、文中はカー氏の一人称で記されている。カー氏は京都の町家や徳島県祖谷(三好市)の古民家を、一棟貸しの宿泊施設に再生する事業に取り組んできたことでも知られている。それだけに提言の内容は具体的だ。
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