ラグビー部では「練習は不可能を可能にす」を学ぶ

幼稚舎では、福澤先生の理念の伝え方は教員に任されているので、それぞれ違います。それぞれの先生が福澤先生を深く研究されていて、それをご自分の教育法に取り入れながら、創意工夫して生徒たちに伝えています。

私は中学からラグビー部に所属しましたが、そこで先輩から教えてもらった「練習は不可能を可能にす」という小泉信三先生の言葉にも大きな影響を受けました。小泉先生は慶應の塾長の一人で大学の体育会(運動部)の発展に寄与され、上皇陛下の教育係を務めたことでも知られています。

『プレジデントFamily2019夏号』の特集は「わが子を慶應に入れる」。

私が所属していた頃の慶應義塾大学のラグビー部は受験のハードルがあり、他大学のように高校で活躍した優秀な選手が集まってくるわけではありませんでした。大学選手権や大学対抗戦で勝つというビジョンを掲げて、ひたすらつらい猛練習をしました。結果、大学4年のときに関東大学対抗戦で優勝できたし、大学選手権でも準優勝した。ビジョンを掲げて努力すれば、巨象だって倒せることを実体験できたわけです。

小学校から「ビジョンを持って努力することの大切さ」を刷り込まれたこと、ラグビーに出合い「練習は不可能を可能にす」を実体験できたことは、私の人生にとってすごく大きな財産になっています。