「成功するチームとは何か」を科学的に解き明かす

本書は「Aim」(目標設定)、「Boarding」(人員選定)、「Communication」(意思疎通)、「Decision」(意思決定)、「Engagement」(共感創造)の5つの法則を活用しながら「成功するチームとは何か」を体系的かつ科学的に解き明かす。

麻野耕司『THE TEAM 5つの法則』(幻冬舎)

「みんな『チームなんか、わかっている』と言います。でもチームで1+1が2以上になる現象を論理的に答えられません。たとえばここに企画が得意なAさんと運用が得意なBさんがいたとします。1人で仕事をする際は苦手なこともしなければなりませんが、2人で仕事をしてお互いに得意なことだけができるように役割を分担したほうが、遥かにパフォーマンスが上がります。要は適材適所に配置することで、1+1を2以上にすることができるわけです」

根底にあるのは個とチームを対立概念で捉えるのでなく「個を活かすチームをつくる」視点。そのためには一人ひとりが「組織を変えよう」という気持ちになることが大切。

「居酒屋やSNSで憂さを晴らし『誰かが良い職場をつくってくれるだろう』という人任せの感情を根底から変えないとチームは良くなりません」

チームの法則は、決してリーダーのための法則ではない。“共通言語”としてチーム全員が理解し、実践してこそ真価を発揮する。よって本書は管理職が1人で読むのではなく、部下たちと一緒に読み、共通認識を得ることで、より効果を発揮するのである。

麻野耕司
モチベーションエンジニア
リンクアンドモチベーション取締役、オープンワーク取締役副社長。
(撮影=石橋素幸)
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