デジタルとリアル溶け合う新世界のビジネス指南書
著書の1人で上海在住の藤井氏はデジタル先進国の中国を例に、デジタルトランスフォーメーション(デジタル技術によるビジネス変革)が進んだ世界を“アフターデジタル”という言葉で説明する。
「中国への視察者に説明していた内容を本にしました」
視察時に中国のビジネスの実態を正しく理解できるケースは少ないという。
「視察者が陥りがちなのが、無人コンビニを見て、『面白いけど、日本ではできないね』というパターン。そうではなくて、何故このサービスが人気なのか、何故ビジネスとして成立しうるのか、デジタルが進んだ環境には新しいビジネスのロジックがあることを理解する必要があります」
視察者の感想で最も違和感があるのが、デジタルトランスフォーメーションの捉え方。
「いまだにリアルに軸足を置いて、デジタルを付加価値と捉えている方が多いのですが、デジタル先進国では今やオフラインが存在しない状況であり、デジタルが中心です。本書で一番伝えたいメッセージは、『日本のデジタルトランスフォーメーションは“立脚点”から間違っているのではないか』ということです」
藤井氏は、技術の活用について、次のように語る。
「中国の事例を見ると、技術は人間を人間らしくする方向に活用されるのが正しいのだなと感じます」
例に挙げたのは時価総額が中国の私企業3位の平安保険。
「AIなどのテクノロジーに投資する一方で、むしろコールセンターのオペレーターや営業職の採用を増やしています。顧客と仲良くなったり、信頼を得たりすることに尽力するようになりました。システムに投資することで、コミュニケーションが活発化しているんです」
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