現代にも通じる、明治のクズ野郎どもの雑な物語

無許可営業の売春宿を遊び回っては、警察に通報するぞと店を脅して金を巻き上げる。そんな本物のクズが主人公の物語が明治時代に存在していたことをご存じだろうか。

「識字率の向上や印刷技術の刷新により読書人口が増え始めた明治20年代後半から40年代、『小説』と呼ぶには粗野すぎる混沌とした物語が、無名の作者たちによって大量に生産されていたのです」。そう語る山下泰平氏は、当時、夏目漱石や森鴎外よりもはるかに高い人気を誇ったそんなジャンルを「明治娯楽物語」と命名して研究している。

(撮影=横溝浩孝)
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