スバルは儲かっている会社だといわれている。しかし、事実はアメリカでの売り上げが多いから、儲かっているように見える。そして、もっと事実を見ていくと、アメリカでも存在感があるのは雪が降る地区と北部の大都市だ。知名度もトヨタ、ホンダにはかなわない。プレミアムなイメージはあるけれど、しかし、今後のユーザーはもはやイメージでは車は買わない。
スバルはまだ開発途上であり、会社としての目的を探している。安全を特徴とし、アメリカマーケットでやや売れているというのが同社の等身大の姿だ。自尊心にもたれかかっている場合ではない。
スバルはまだ何かを探している。早く見つけなくてはならないけれど、まだ探している段階だ。
その意味でも、改めてこの約100年を振り返ることは、スバルという会社自身にとっても重要であるように思えてくる。そこで、次回は時代を遡り、中島飛行機時代の話から記述していく。
※この連載は2019年12月に『スバル ヒコーキ野郎が創ったクルマ』(プレジデント社)として2019年12月18日に刊行予定です。
(写真=SUBARU提供)