世界のビジネスエリートは会食のとき、仕事の話は最初の10分で終わり、あとは歴史・文学・美術などの話を続ける。果たして日本人ビジネスマンは何を学ぶべきなのか──。三賢人に、教養をどう学び、どう使うのか尋ねた。
(1)自分を賢くしてくれる教養とは?

出口▼幸せな人生は「知識」×「考える力」でもたらされる

みなさんは「おいしいごはん」と「まずいごはん」、どちらを食べたいですか? もちろん大半の人が「おいしいごはん」と答えるでしょう。では、おいしいごはんを因数分解したらどうなるか。「食材」と「料理法」に分解できます。よい食材を上手に料理したときにおいしいごはんになるのです。

立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口治明氏

人生も料理と同じ。「おいしい人生」は「知識」と「考える力」に因数分解できます。フランシス・ベーコンは「知は力なり」と言っています。16世紀半ばから17世紀前半にかけて哲学、神学、法学などの世界で活躍した人です。