御立▼ネットワークを身近なところから広げていく
これから人と人、分野と分野を“つなぐ力”が重要になってきます。つなぐ力を身に付ける一番確実な方法は、その分野の専門家に教えを乞い、できれば一緒に仕事をすることです。
私の場合ですと、地政学の専門家であるイアン・ブレマー氏と一緒に本を書く機会を得ることができました。共同で本を作ると、疑問点をその都度質問でき、その分野を知ることができますし、彼の専門と私の専門のつながりがより見えてくる。ほかにも東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授とも経営戦略をゲーム理論で考えるというテーマの本でご一緒しました。
専門家につながるには、自分のネットワーク力、アクセス力を高めるしかありません。「人と会うこと」そして「信頼関係をつくること」。この当たり前のことが次の出会いを生み、ネットワークを拡充する一番確かな道だと思います。
たとえ話をすると、遠い親戚から50億円の遺産が入り、相続の相談をしたいとなったら、どうするでしょうか。インターネットで会計士や弁護士を探すだけではなく、知り合い、もしくは知り合いの紹介がある人を探すでしょう。そして実際に会って、相手が自分のニーズをわかってくれて、信頼が置ける人かどうかを判断すると思うのです。
ある程度キャリアを積んでくれば、高校時代からの友人や仕事関係の相手など、どこかしらに専門家につながるツテがあるものです。高校時代の同級にも別の専門で活躍している人たちがたくさんいます。身近なネットワークから一歩一歩広げていくことをお勧めします。
出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命を経て、ネットライフ企画(現ライフネット生命)を設立。18年より現職。
竹中平蔵(たけなか・へいぞう)
東洋大学国際学部教授
1951年、和歌山県生まれ。一橋大学経済学部卒。現在はパソナグループ会長、慶應義塾大学名誉教授も務める。博士(経済学)。
御立尚資(みたち・たかし)
BCGシニア・アドバイザー
1957年、兵庫県生まれ。京都大学卒。日本航空を経て、BCGへ入社。2005年に同社日本代表に就任し、17年より現職。
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命を経て、ネットライフ企画(現ライフネット生命)を設立。18年より現職。
竹中平蔵(たけなか・へいぞう)
東洋大学国際学部教授
1951年、和歌山県生まれ。一橋大学経済学部卒。現在はパソナグループ会長、慶應義塾大学名誉教授も務める。博士(経済学)。
御立尚資(みたち・たかし)
BCGシニア・アドバイザー
1957年、兵庫県生まれ。京都大学卒。日本航空を経て、BCGへ入社。2005年に同社日本代表に就任し、17年より現職。
(構成=Top Communication 撮影=藤原武史、市来朋久、大槻純一 写真=共同通信イメージズ、AFLO、iStock.com)