中年の危機にあるおじさんには長期休暇を
第1回目(「賢い女こそ、職場で男を立ててはいけない」)で触れましたが、男性が男らしさを証明するためのキーワードが2つあり、「達成」と「逸脱」です。
出世は男性にとってわかりやすい「達成」です。それだけに、40代にもなって出世の目がないと分かったらおおいにショックを受けます。現実的にはおよそ6割の男性は課長にもなれないのです。
出世できたからといって安心とはかぎりません。いわゆるミッドライフ・クライシスに陥る恐れがあるからです。それなりにいい会社に入り、出世もして、家族もいるけれど、こんな「平凡」な人生でいいのかと悩むわけです。
いずれにしても40代は人生の折り返し地点なので、一回、立ち止まって考えるには良いタイミングです。それにもかかわらず、とりわけ男性は、いつまでも歩き続けなければゆるされないような空気があります。
芸能界の例になりますが、アイドルグループの嵐が40歳を目前に活動休止するのは、社会的な影響を考えてとても良いことだと思います(※メンバー最年長の大野智が休止の2020年で40歳)。嵐ほどの経済的に大きな影響を持つ人たちでも立ち止まれるわけですから、一般の男性が立ち止まれないわけはない。「俺がこの仕事をしないと会社が回らない」などと頑なに考えず、ここらで溜まっている有休を消化したり、リフレッシュ休暇があるならそれを活用したりすればいいと思いますね。