※写真はイメージです(写真=iStock.com/akiyoko)

「自分は迷惑者、邪魔者」肉親から、お荷物とみなされる

「家族の方も、やむにやまれぬ事情で通所サービスを考える方もいますが、なかにはデイサービス、ショートステイと慣らしていって施設入所まで持って行こうと考える人もいる。ご本人もそんな家族の意図を感じ取って親子関係がこじれることもあります」

自分は迷惑者、邪魔者。肉親から、お荷物とみなされ、視界から消えてほしいと肉親から思われている……。要介護者はそうした孤独感を抱いてしまうのかもしれません。

ひとことで「利用者さん」といっても、本人と家族ではこれほどまでに意向が異なり、結局、その間を必死に調整し、関係が悪くならないようにしているのがケアマネジャーというわけです。

こんな話を聞くと介護の大変さを改めて感じます。介護の物理的な作業の大変さに加え、こうした「神経戦」が続けば、それも大きな負担になるでしょう。

とはいえ、いずれ自分の親に介護が必要な時期はきます。

要介護になったら、あるいは自分が要介護になる時が来たら、親と子、そしてケアマネジャーとの間に、こうした心の読み合いやそれによって生じるさまざまな葛藤があることを覚えておき、事前に心の準備をするといいのかもしれません。

(写真、イラスト=iStock.com)
【関連記事】
50代息子が老親に鬼畜の所業ができる理由
終身契約の施設から80代で出されたワケ
70歳医師"病人になって初めてわかった"
60代息子が親の排泄介助でパニくる理由
施設に"おもてなし"を求める老人の勘違い