「便通がいいんです。こんくらい(40cm)の便が出るんです」
AuBはコニカミノルタ陸上競技部をサポートしていることもあり、2018年4月末まで所属していた神野大地ともつながりがある。AuBの調査によると、多様性(種類と数)指数は、一般人平均が129.6、駅伝選手平均が150.38。そのなかで鈴木は193.0、神野は195.1とともに高い数値を誇っている。
そして、ふたりにはある共通点があった。それは免疫力が極めて高いことだ。
鈴木はアテネ五輪の最終予選をUAE(アラブ首長国連邦)で戦ったとき、選手23人中18人が現地で下痢になったが、何ともなかったという。神野も3度(トータル3カ月間)のケニア合宿を行ったが、他の日本人選手が下痢で苦しむなかで、ひとりだけ無事だった。これも腸内細菌の多様性が優れていることが要因だと考えられる。
プロランナーとなった神野は栄養士を雇い、液体塩こうじを使った料理も積極的に取り入れている。3月25日に行われた「液体塩こうじ・腸内環境向上セミナー」後の囲み取材では、マジメな顔で、「僕は便通がすごくいいんです。1日3~4回出る。こんくらい(40cmほど)の便が出るんですよ。盛ってなくて、これです(笑)」と話した。悪天候の中、2時間11分05秒の8位(日本人4位)に食い込んだ、今年3月の「東京マラソン2019」でも便の状態が良かったという。
「調子がいいときはきれいな便しか出ないですね。便で調子を見るというのはアリだと思います。栄養士さんが作ってくれたバランスのとれた食事をとると便もいいですけど、会食があったりするときは、やっぱり良くないですから。レースで結果を残すには、食事も大切。走る練習だけ頑張っていても、結果は出ないと思います」(神野)
大便サンプルがもっと集まり研究が進めばスポーツ界は大きく進化
腸内環境を改善するには、バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠が重要で、腸内細菌を増やすには、みそ、納豆、チーズ、ヨーグルト、漬物、キムチなど発酵食品を積極的に摂取することが有効になる。
ハナマルキは今後、液体塩こうじを「スポーツ分野」で広めていきたい考えを持っている。
日本には発酵食品が多く、腸内細菌の多様性をつくるという意味では恵まれた環境といえるだろう。大便は自分からの“お便り”だ。液体塩こうじレシピが広まり、AuBの研究がさらに進めば、日本のスポーツ界が大きく進化するかもしれない。