マニアな共通項は秒速で人との距離を縮める

その人は、仕事上では「物腰やわらかい人」くらいの印象でした。

でも、一緒に食事をしたときに、ふと僕のほうから「大学時代、じつはバンドサークルにいまして」なんて話をしたら、その方が「私もバンドやってました。ドラマーなんです」と――そこから話は急展開していきました。

僕「どんなのを聞くんですか?」
相手「いや、マニアックなので、言ってもご存じないと思います」
僕「自分もフュージョンサークルだったので、そうとうマニアックですよ」
相手「フュージョンですか……! 僕はSoulive(ソウライブ)が好きです」
僕「まじですか! 僕も好きです!」

吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)

というように、好きなバンドでつながるというミラクルが起こったのです。

お互いに音楽が好きで、マニアックなジャンルの、それも同じバンドが好きだった。そのミラクル度合いもあいまって、「Soulive好きのドラマー」「Soulive好きのキーボーディスト」としてお互いの記憶に残ることとなりました。こんなふうに、何かのマニアという共通項が見つかった途端に、人付き合いが、ぐんとうまくいくこともあるのです。

 
(イラストレーション=中尾仁士)
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