自分の持ち味は周囲とのギャップから生まれる
その一つとして、編み出した方法が「安心して話せる話題」を持っておく、ということ。
「それができたら、苦労しないよ……」という声が聞こえてきそうだけれど、あるクセをつければ、じつは簡単です。
そのクセとは、自分を「相対化」するクセ――周囲の人と自分を相対化してみることで、自分の意外な持ち味が見つかるのです。
たとえば、僕は映画をよく見ます。
ある晩、飲み会に参加し、ざっとメンツを見渡してみたら、「映画は見るけれど、そこまで詳しくなさそうな人」ばかりだった。となれば、「映画をよく見る」というのは、その場での僕の持ち味になるでしょう。
逆に、もしその場に「映画の配給会社で、買い付け担当をしています」とか「映画雑誌のコラムニストです」みたいな人がいたら、僕が延々、映画の話をしたって「この話題は、アンタじゃないだろ」と、みんなに思われてしまいます。
その場では、もしかしたら「映画をよく見る」より「週1でサウナに行っている」のほうが、僕ならではの話題になるかもしれません。
相対化とは、こういうこと。自分を一歩引いて見て、周囲との違いやギャップから自分の持ち味を浮かび上がらせる、ということです。
「好き」を話して、いい顔になろう
では、大勢ではなく1対1で初対面の人と話すときに、いい印象で覚えてもらうにはどうすればいいでしょう。
意外に思われそうだけれど、それは、自分の「好きなモノやコトの話」をすることです。
「いきなり自分の話なんてして、大丈夫?」という気持ちも、わかります。
でも、好きなモノやコトの話をしているとき、人は例外なく「いい顔」をしているもので、じつは、好意的に受け止められることが多いのです。
「◯◯が好きな人」という印象を残せるという意味でも、これは簡単なのに意外とメリットの大きいコミュニケーション術といえるでしょう。
基本的には、相手に「好きなモノやコトを話しているときの顔」を見せることが目的なので、相手に賛同してもらえなくても大丈夫です。