積極的な人付き合いが苦手な内向型人間が、人間関係を楽にするにはどうすればいいか。電通プランナーの吉田将英氏は「人付き合いの多い仕事をしているのに、人と会うほどに疲れてしまう。だから人間関係が楽になるように仕組み化している」という――。

※本稿は、吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

情報収集も人間関係も「アンテナを張る(仕組み化)」することで楽になる

電通マンなのに率先して人を誘えない

「広告業界にいるんだから、人付き合いは得意中の得意でしょ?」なんて思われそうだけれど、僕はけっこうな人見知りです。

なかには、人と会うことでパワーチャージするタイプの人もいるでしょう。でも、僕はその逆。人と会うほどに、疲れてしまう……といってもいいくらいです。

これを、僕はよく「コミュニケーションスタミナ」という言葉で表現しています。

人と会って元気になる人はコミュニケーションスタミナが多い。人と会って消耗する人はコミュニケーションスタミナが少ない。

僕は圧倒的に後者、スタミナが少ないタイプというわけです。

誤解しないでほしいのは、人と会うと疲れてしまうといっても、人が嫌いなわけではないということ。

有意義な人付き合いが、自分をどれほど向上させてくれるかもわかっているつもりです。ただ、自分が中心になって飲み会を開いたり、率先して人を誘ったりすることが、ちょっと苦手なだけ。

仕組みで人付き合いが楽になる「アンテナ力」

「そんな僕が上手に人と付き合って、刺激を与え合っていくには、どうしたらいいんだろう?」

そう考えるうちに思い浮かんだのが、「情報」と同様、「人」に対しても、アンテナを張ってしまえばいいんだ、という発想でした。

端的にいえば、人を誘ったりするのが苦手なら、自分が「いいな」と思える集まりに誘われる人になればいいのでは――と考えたのです。

こういうと、なんだかあざといような印象を持たれるかもしれません。

でも、この先を読んでくれたら、たぶん気づいてもらえるでしょう。

人付き合いのアンテナを張れば、人見知りで、コミュニケーションスタミナが少ない人でも、周りの人と一緒にいろんな楽しいことができるし、相手が喜ぶものを自分から差し出せる、そんな可能性を広げることができるんだ、と。

人のアンテナを張るというのは、「積極的な人付き合い、ちょっと苦手かも」という自分の本質を無理やり変えることなく、人との関わりをもっとラクに、豊かにしていく仕組みづくりをする、ということです。そうすることで、自然体でもいいコミュニケーションが取れるようになり、仕事と人生が少しずつうまく回り出すようになっていくのです。