ボーナス格差 大企業100、中企業61.7、小企業36.2
日本の賃金格差は毎月支給される基本給だけではない。
ボーナスの格差はもっと深刻だ。大企業のボーナスを100とすると中企業(従業員100~999人)は61.7、小企業は36.2にすぎない。年収ベースでの格差はもっと大きくなるということになる。
それだけではない。大企業と中小企業の格差は2014年のアベノミクス以降も拡大し続けている。
経団連の調査によると、大手企業(東証1部上場・従業員500人以上)の2014年賃上げ率は2.28%、金額にして7370円。15年2.52%(8235円)、16年2.27%(7497円)、17年2.34%(7755円)、18年2.53%(8539円)と2%台をキープしている。
一方、中小企業(従業員500人未満)の14年の賃上げ率は1.76%(4416円)、15年1.87%(4702円)、16年1.83%(4651円)、17年1.81%(4586円)、18年1.89%(4804円)と、2%を下回っている。
賃上げ率自体は中小企業がやや低く、ベースとなる基本給が大企業のほうが高いので金額に大きな開きがある。アベノミクスになって大企業と中小企業の格差は縮まるどころかますます拡大しているのだ。
大企業vs中小企業の格差の構図は依然変わらず
こうした格差を最も問題視しているのが労働組合だ。中央組織の連合は2019年春闘で例年以上に格差是正を掲げ「規模間格差の是正(中小組合の社会横断的水準の確保)に向けて賃金の絶対額を重視した月例賃金の引き上げ」に取り組んだ。
つまり、賃上げ率だけでは格差が縮まらないので大手と中小の基本給の違いに焦点を当てて格差を是正しようという戦術だ。
では、その結果はどうだったのか。連合の今年3月22日時点の集計結果によると、全体の平均賃上げ率は2.13%(6475円)。そのうち従業員300人未満の中小組合は2.02%、金額は5183円。それに対して300人以上は賃上げ率2.13%(6534円)だった。格差の構造は依然として変わっていない。