最後の取引から10年以上経過した預金は移されてしまう
1月1日から死亡した日までの所得金額や税額を計算して申告するのだ。故人が確定申告していた場合は当然だが、高額な医療費を払っていれば、還付金が返ってくる。
そして、10カ月以内に相続税の申告をすることになる。相続する人間への3年以内の贈与はないかなど、故人の3年以内の通帳をチェックすることが大切だという。税務署はこうした動きを見逃さない。
基礎控除額は4800万円。これを超えれば相続税を納付する。相続税の申告書は全員で1通。細かい部分は税務署で無料相談することができるそうだ。
『現代』によると、ここに落とし穴があるという。相続税の申告と納付は別で、納付は現金一括。期限の10カ月を過ぎると延滞金が発生する。それに、誰かが相続税を払えない場合、連帯納付義務があり、他の相続人に支払い請求が来るそうである。
生命保険は3年が期限、ゆうちょ銀行以外の金融機関は最後の取引から10年以上経過した預金は休眠預金とされ、預金保険機構に移管されてしまう。だが、生保などは遅れても対応してくれるそうだから、諦めることはないようだ。
また、相続税の申告後、新たにマイナスの遺産が見つかった場合は、相続開始から5年10カ月以内に税務署に申告をし直すことができる。
ざっと見てきたが、突然死は別にして、まだ逝くのも、見送るのも余裕がある人は、『週刊現代』の別冊でも買って、じっくり勉強しておいたほうがいいと思う。
元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。
(撮影=プレジデントオンライン編集部)