レジを通らずにスマホで決済

通常店舗では、専用アプリでバーコード決済を行う「ローソンスマホペイ」を導入予定で、18年4月に都内の3店舗で実証実験をはじめた。この2月から全国へ拡大し、3月までに実施店舗を101店舗まで増やし、10月の消費増税までに1000店舗へ導入予定となっている。

スマホで決済できる「ローソンスマホペイ」(画像提供=ローソン)

この取り組みは設備投資が小さく、拡げやすい。利用者の利便性も高く、筆者はよく利用している。ただ、陳列棚から取ってその場で決済した商品を、そのまま自分のカバンに入れるのは違和感がある。また万引き対策という課題も残る。一般の消費行動となるまでには時間がかかりそうだ。

現場目線での改善を図れるか

小売や外食では、1人勤務の「ワンオペ」の見直しを進めてきた。従業員の負担が大きいからだ。筆者もかつてコンビニの夜勤でワンオペだったとき、急にトイレに行きたくなって冷や汗をかいた思い出がある。だが、人手不足のため、ワンオペですら「24時間営業が成り立たない」という悲鳴が上がりつつある。コンビニ各社は、テクノロジーを駆使することでこうした課題の解決策を探っている。

新たな設備の導入や入れ替えは、本部投資を増大させる。だが、従業員の定着率を上げるためには働きやすい環境への投資は必要不可欠だ。勝負の分かれ目は、効率改善に取り組む本部社員が“現場感”を理解しているかどうかだろう。答えは“本社オフィスにあるのではなく現場にある”のだ。

渡辺 広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト・コンビニ評論家
1967年、静岡県生まれ。東洋大学法学部卒業。ローソンに22年間勤務し、店長やバイヤーを経験。現在は(株)やらまいかマーケティングの代表として商品営業開発・マーケティング業に携わりながら、流通分野の専門家として活動している。『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ)レギュラーほか、ニュース番組・ワイドショー・新聞・週刊誌などのコメント、コンサルティング・講演などで幅広く活動中。
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