地味にすごい「レジ袋開口機能付きラック」

なかでも筆者が「これはすごい」と思ったのが、レジ袋開口機能付きラックだ。

レジ袋開口機能付きラック(写真提供=セブン&iホールディングス)

レジカウンター内のレジ袋は、店舗によって置き位置がマチマチだ。店舗によってはレジ袋がカウンター什器の最下段にあり、接客のたびにいちいち腰をかがめるような場合もある。

一方、同店の新什器では、横置きのポールにレジ袋が種類別にかけられており、立ったまま片手で開口できる。シニア従業員が増えている今、これが全国に広がれば、大きな効果があるだろう。

こうした施策の効果は、お客には伝わりづらいが、作業の軽減化は従業員の定着率を上げ、店自体のクオリティを上げていくことにつながる。

客の手を借りる省力化が拡がる

お客の手を借りる省力化も拡がっている。たとえば、セブン‐イレブンやファミリーマートで販売されているコーヒーは、カウンター商材だ。だが、コーヒーを淹れるのは客自身で、従業員は専用カップを渡すだけだ。

一方、ローソンの「マチカフェ」は、店員が淹れて渡すため、負担が大きい。このため都市型実験店舗では、レジを介さない釣り銭機能内蔵式コーヒーマシンの実証実験が行われている。昨年12月には、同じくカウンター商材であり、ローソンの看板商品である「からあげクン」の自動調理器の実証実験も行われた。調理時間は従来の5分の1で、揚げたてを食べることができる。いずれはホットスナック全般に応用していくという。

少しずつ広がりつつあるセルフレジも、客の手を借りた省力化だ。この分野ではローソンが先行しており、2017年から企業のオフィスに「プチローソン」と呼ぶセルフレジ付き商品棚を置いている。菓子や雑貨を「完全無人」で販売できる仕組みだ。

オフィスに置く「プチローソン」(画像提供=ローソン)