「人による接客のニーズ」はなくならない
先にも述べたが、最近では防犯カメラシステムのAI化が進み、不審な人物の動きを事前に察知し、犯罪を未然に防ぐようなシステムも開発されている。万引き犯の挙動データが集まっていくのも、時間の問題かもしれない。
防犯上の課題が解決されれば、無人コンビニの仕組みはやがて規模の大きな店舗へと広がっていくだろう。スーパーやショッピングモールの無人化だって想定できる。
ちなみに、無人コンビニが普及していくと、有人店舗はビジネスモデルの大転換を迫られることになるだろう。コンビニであれ、スーパーであれ、ショッピングモールであれ、百貨店であれ、人が介在する意味をより強く打ちだす必要に迫られる。経営の合理化という点では絶対に太刀打ちできない。
それでも人による接客を求めるニーズがなくなるわけではない。この分野でも、先を見据えたビジネスモデルの転換をいち早く成し遂げた企業が生き残っていくはずだ。
外国人労働者に求める仕事は無人化できる
先にも少し触れたが、AIを搭載した介護ロボットや掃除ロボット、サービスロボット、工場ロボットなどの導入は待ったなしで進んでいる。
20世紀は多くの単純労働をロボットに引き渡す時代だったが、21世紀に入り、すでに少し知的な労働も順次、AIロボットに引き渡す時代になっている。
日本でも導入は進んでいるが、私に言わせれば、まだこんなことを人手でやっているのか……と呆れる場面も少なくない。
現在、日本は少子高齢化で人手不足問題が深刻だと騒いでいる。
しかし、本当にそうだろうか?
本来、人がやらなくてもいい仕事、人に任せなくていい仕事を人がやっているだけだという面も少なからずあるはずだ。外国人の労働者をアテにするより、各業界でロボット化を急いだ方が、よっぽど問題の根本的な解決につながるはずだ。
いま、国が新たに外国人労働者にやらせようとしている仕事のほとんどは、無人化だったり、ロボット化だったりできる。
例えばレストランの予約を取るのだって、まだ電話予約が中心だ。電話で話すことは決まりきったフレーズばかりなのに、ネットやロボットによる自動受付が採用されない。客のニーズをよく考えることなく、ここに人を介在させることがサービスの一環だと勘違いしている店主もいるだろう。