では、なぜそうなるのかを見ていこう。任意の3ケタの数字を2回重ねた6ケタの数字を「1001」で割ると元の3ケタの数字に戻るということは、逆に考えると、元の3ケタの数字に「1001」をかければ、その3ケタの数字を2回重ねた6ケタの数字になるということだ。「254×1001=254254」「918×1001=918918」「467×1001=467467」「325×1001=325325」……。
この理由を分配法則を使って説明しよう。
「254×1001=254×(1000+1)=254000+254=254254」「918×1001=918×(1000+1)=918000+918=918918」「467×1001=467×(1000+1)=467000+467=467467」「325×1001=325×(1000+1)=325000+325=325325」……。
このように、任意の3ケタの数字に「1001」をかければ、その3ケタの数字を2回重ねた6ケタの数字になることがわかった。
この6ケタの数字はさらにおもしろい性質がある。必ず「7」で割り切れるのだ。また、「11」と「13」でも割り切れる。どうしてかちょっと考えてみていただきたい。
実は、「1001=7×11×13」なのだ。したがって1001の倍数は、7、11、13の倍数でもある。それで個々の数字で割り切れるのだ。
こんなことを知って何の役に立つのかというツッコミはご勘弁いただきたい(笑)。少なくとも飲み会などの座持ちに使えば、「○○さんは数学のセンスがある人なのだ」と思ってもらえるのではないか。
(構成=田之上 信 写真=iStock.com)