モチベーションを上げる言葉、下げる言葉

――皆さんが実践しているゆとり世代の対応術を教えてください。

【製薬】僕らの世代は上司とはあ・うんの呼吸で教育され、育ってきた。しかし、今の若い人は、あ・うんよりも丁寧に、なぜやる必要があるのか理由まで教えることだ。自分なりに腹落ちしたら一生懸命に動く。逆に腹落ちするまで恐くて動けないから「どうしてやらないといけないのですか」と聞いてくる。それに対して「そんなことは自分で考えろ」と言うのは禁句。面倒くさくても、説明してあげるべきだろう。

【サービス】そう。ゆとり世代は勉強しているし、僕らと違って学習意欲は数段上の力を持っていると思う。筋道を立ててやるべきことを明確に説明すれば、一生懸命に仕事をやる。でも教えなかったり、「そんなことは自分で勉強しろ」と言うとモチベーションは下がる。理不尽さを抱かせないようにすることが大事だね。

【小売】大事なのはゴール設定をしてあげること。それから何のためにこれをやるのかという目的を明確に示すと、すごく頑張る。これをしっかりと言わないとモチベーションは下がるし、ミスをしたときに間違いなく上司のせいだと思ってしまう。だから僕は、なぜやらないといけないのか、その背景や目的について詳しく説明するようにしている。たとえ理不尽な仕事でもやっておくと、将来こういうことに役立つことがあるよとか、面倒くさいけど、頑張って話すようにしている。

【広告】上司が30%話し、部下に70%話をさせるのが対話の基本だね。相手の価値観や考え方をじっくり聞いたうえで、「だから君にやらせるんだ」「今はムダだと思っても、将来きっと役に立つよ」とか、仕事の意味を丁寧に説明してやると前向きに仕事をしてくれる。

【小売】だからといって、それをやっても元気にやるわけでもない(笑)。こちらが丁寧に説明し、本人によかれと思ってアドバイスしても「はい、がんばります!」とはならないところが彼らの特徴でもある。なぜなら、そう言ってくれるのが当たり前だと思っているから。逆に言っているほうのモチベーションが下がる(笑)。