「リリース」と「丸投げ」の違い

チームリーダーは、自分の業務をどんどんメンバーにリリースしたほうがいいと言うと、自分の業務をどんどんメンバーに丸投げすればいいと誤解する人がいるかもしれませんが、リリースと丸投げは全然違います。

メンバーにリリースする業務は、自分ができるようになった業務です。他方、自分ができるようになっていない業務をメンバーに投げるのが、丸投げです。

リリースした業務は、メンバーに何かあれば助けることができますが、丸投げした業務はメンバーに何かあっても助けることができません。

より難易度の高い業務をチームリーダーが獲得するために、メンバーに業務を任せるのがリリースです。

「キャッチ・アンド・キャッチ」では破綻

自分の業務をリリースする目的は、難易度の高い業務をキャッチするためであり、業務をリリースしないで、新しい業務をキャッチすると、業務の海に溺れて、チームリーダーの業務が破綻してしまいます。

ただ、難易度の高い業務をキャッチするという目的なしに、業務をメンバーに渡すと丸投げになってしまい、いなくてもいいチームリーダーになってしまいます。

チームリーダーにとって、リリース・アンド・リリースが一番ダメで、メンバーに業務を丸投げしているだけで、存在価値のないチームリーダーになってしまいます。

一方、キャッチ・アンド・キャッチで、どんな業務も引き受けてしまうと、チームリーダーは業務をこなしきれなくなり、どの業務も中途半端になってしまい、最終的には破綻してしまいます。現実にはこの状況に近いチームリーダーが多いのかもしれません。

キャッチ・アンド・リリースできるチームリーダーは、自分の業務のキャパシティを限界まで使っていないということです。だから、先に新しい業務をキャッチすることができるのです。個人的には楽かもしれませんが、その分、成長も遅くなります。

こう考えると、リリース・アンド・キャッチが一番正しいことがわかるでしょう。チームリーダーがリリース・アンド・キャッチを4倍速で行うことで、自分も、メンバーも、チームも4倍速で成長することが可能になるのです。

(写真=iStock.com)
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