関東圏の技術者を見込んで浜松町に研究開発拠点を作った

アイリスの快進撃は今後もさらに続く、というのが業界関係者の共通の意見だ。

大阪R&Dセンターの強化に続き、2018年11月には浜松町駅から徒歩3分の場所にアイリスグループの東京本部を構えた。大阪勤務を望まない経験豊富な技術者を積極的に採用するとしており、昨年11月時点で約150人の従業員のうち30人は技術者だという。

大阪心斎橋にあるアイリスオーヤマと、働く社員の様子(写真=神原サリー)

東京本部は「働き方改革」を見据えたワンフロアのオフィスで、LED照明と家電製品の設計、デザイン、品質管理購買・調達、営業、人事、広報などの機能を備え、家電事業の研究開発拠点としてだけでなく、法人向けビジネス営業拠点の役割も担う。

プレス向けの内覧会でお披露目されたオフィスは、照明や床材、オフィス家具などをすべて自社製品で設えており、“オールアイリス”の底力を見せて圧巻だった。

オフィスは7つのエリアにわかれており、250席の“フリーアドレスエリア”のほか、素早く情報共有できるスタンディングテーブルエリアや、1人で考えを深めるための集中エリア、リラックスして発想力を柔軟にさせるソファエリアなどが設けられている。

大阪R&Dセンターは雑然とした印象が否めなかったが、それと比較すると、広々として居心地がよさそうだ。空間づくりや家具などには先進的な要素が詰まっており、「ここで働きたい」と思わせるオフィスだった。

新卒採用での有能な人材確保のためには魅力的なオフィスが必要

東京本部の設計を担当したアイリスチトセ マーケティング本部・取締役本部長の大山紘平氏は「魅力的なオフィス環境こそが、効率のよい仕事を可能にし、さらには優秀な人材を採用して辞めさせない肝である」と話す。

企業向けのLED照明で業績を上げている同社ならではの取り組みとして、今回の東京本部のオフィスでは時間制御ができるLED照明「ライコネクス」を採用。スケジュール制御で調光して省エネに役立てるだけでなく、18時以降は照度を下げたり、消灯したりして長時間の残業を防ぐという。さらにはサーカディアンリズムに則った調光・調色で自律神経を整え従業員の良質な眠りにつなげようとする取り組みも観られる。

商品開発とオフィス環境の両面で、ほかのメーカーにはない際立ちをみせるアイリスオーヤマ。今後の展開から目が離せない。

(写真=神原サリー)
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