「自らの頭」で教育のあり方を考える

現状を変革するためには、未来へのイメージを持たなくてはなりません。世界の教育は日本と何が違うのか、そして未来に向けて私たちがどんな一歩を踏み出せばいいのか、そうしたことが見えてくるはずです。

日本では、新学習指導要領が取りまとめられ、今後、順次全面実施される予定となっています。新学習指導要領には未来に向けた日本の教育方針が書かれているわけですが、文書を策定したからといって理想的な教育ができるかというと、それは難しいでしょう。

たとえば、新学習指導要領には「主体的・対話的で深い学び」といった言葉が掲げられていますが、これがどういった学びを指すのかは、言葉だけを読んでいても解釈はバラバラになってしまいます。しかし映画というイメージを使い、当事者と対話を重ねることで、教育の向かうべき方向が見えてくるのではないでしょうか。

これからは、親も先生も、自らの頭で教育のあり方を考えることが大切です。伝統的なルールや現状の仕組みを鵜呑みにするのではなく、それぞれが当事者として自らのフィルターを増やしセンスを磨くこと。これこそが今の日本の教育に必要なことだと思います。

竹村詠美(たけむら・えみ)
一般社団法人 FutureEdu 代表理事、Peatix.com 共同創設者
アマゾン、ディスニーなどの日本経営メンバーとして、サービスの事業企画や立ち上げ、マーケティング、カスタマーサポートなど幅広い業務に携わる。2011年に立ち上げた「Peatix.com」は現在27カ国、350万人以上のユーザーをもつ。現在は教育を中心に幅広く活動中。Most Likely to Succeed 日本アンバサダー、Peatix Inc. 相談役、総務省情報通信審議会委員なども務める。
(構成=小林 義崇 撮影=原 貴彦)
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