楽天やセブンイレブンが競合になる日

さらに決済情報自体がビッグデータとしてフィンテックの競合にとっての武器になります。それがソフトバンクであれ、楽天であれ、イオンであれ、セブン‐イレブンであれ、消費者との接点を持っている新しい競合が、銀行が持たないあたらしいタイプの顧客情報を武器に競合として台頭する。そのような状況は銀行にとってはうれしくない未来です。

結局のところ、キャッシュレス決済、スマホといった新しいインフラが、長期的には現金、口座、ATM、店舗といった銀行の古いインフラにとってかわっていくというのが銀行の長期的な未来です。その古いインフラを捨てて、新しいインフラにどう乗り換えていくのか。その変化のスピード次第では、2019年は銀行にとって痛みの伴う年になるでしょうし、その痛みが軽ければ銀行はまた一段、収益性を下げてフィンテック競合との競争から遅れて行くリスクがあるのです。

鈴木 貴博(すずき・たかひろ)
経営コンサルタント
1962年生まれ、愛知県出身。東京大卒。ボストン コンサルティング グループなどを経て、2003年に百年コンサルティングを創業。著書に『仕事消滅AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』など。
(写真=iStock.com)
【関連記事】
230億円稼いだ男の「100万円投資」入門
1年間お互いの通帳を隠し通す夫婦の末路
金融業界175社「平均年収ランキング」
よくわかるスマホ通信料バカ高のカラクリ
もし実家で"太陽神戸"の通帳を見つけたら