「新型縁故採用」で社員が経営者目線を持つようになるワケ

(4)会社の魅力と課題を見える化できる
※写真はイメージです(写真=iStock.com/itakayuki)

リファラル採用は、社員が会社に魅力を感じ「自社を友人・知人に紹介したい」と思うこと、さらにその話を聞いた友人・知人に転職したいと思ってもらうことで成立します。

そのため、リファラル採用の成功のためには「自社の魅力の見える化」が極めて重要になります。また、「会社の魅力」の見える化と同時に、「会社の課題」も見える化します。これらが、リファラル採用成功の重要なポイントとなります。

(5)会社の魅力を継続的に向上できる

「魅力向上型リファラル採用」では、メリット(4)で紹介した会社の魅力を、継続的に向上できます。まずは会社の課題を見える化した際、浮かび上がった課題を早期解決することで魅力が向上します。加えてリファラル採用では、自社のアピール資料「アピールブック」を作り、これを定期的に更新、ブラッシュアップしていくため、会社の魅力は向上し続けることになります。

(6)幹部と社員が経営者目線をもつようになる(究極の人材育成)

社長と会社を好きな社員がリファラル採用プロジェクトのメンバーになり、社長と一緒に「アピールブック」を作成します。「アピールブック」作成は、企業理念・行動指針の作成または改良、会社の魅力づくり、欲しい人材像の設定、会社の課題把握、中期経営計画の作成、賃金制度・能力開発制度の改良等をプロジェクトで推進していくものです。

この社長との共同作業、そして作成した「アピールブック」を友人・知人に説明することは、幹部研修や経営力アップ研修と比べものにならない効果があります。社長目線が育つのです。「魅力向上型リファラル採用」は、表向きは採用手法ですが、裏では劇的な効果をもたらす究極の経営手法でもあるのです。

とはいえ、リファラル採用には5つのデメリットもある

リファラル採用には多くのメリットと同時に、デメリットもあります。代表的なデメリットは次の5つです。

(1)採用できるまでに時間がかかる

求人広告や人材紹介だと、早ければ採用開始から1カ月以内に内定承諾までいきますが、リファラル採用は1カ月以内で内定承諾が決まることはまれです。一般的には3カ月から6カ月以内に1~4人の内定承諾が決まります。6人以上の採用計画がある場合は、1年程度の期間を想定しておいた方がいいでしょう。ただ、このデメリットは、リファラル採用の仕組みを構築し継続的に運用できるようになると自然に解消していきます。

(2)1年以内の大量採用には向かない

リファラル採用は1年以内に大量採用することが難しいというデメリットがあります。1年以内に6人以上の採用計画がある場合は、リファラル採用とダイレクトリクルーティング・求人広告・人材紹介の併用がおすすめです。