50代で家をダウンサイジング。お金に余裕もできて悠々自適な生活を送れるはずなのに、せっかく買い替えた家が20年後には二足三文に……。そんな目に遭わないためにも、買い替えるなら、「資産価値が上がる」家を選びたい。資産が上がる住宅に関し、日々アドバイスを続けているのが、『50歳からの「ご自宅戦略」ABC』などの著書があるスタイルアクト代表取締役の沖有人氏だ。
沖氏は2013年に、夫婦別々に同じマンション内に自宅を購入。約1年後の売却時には、合わせて4500万円の値上がり益を出したという。なんともうらやましい話だが、その手法は今からでも通用するとか。今後、資産価値が上がる物件を買うためには、どんな点に注意したらいいのだろうか。
「一番重要なのは“立地”です。現在は高齢者であっても、便利な都内に移り住む人が増えています。都市部のマンションは、暮らしやすさを重視する流れから、シニア層や共働き層、ファミリー層など幅広く需要があり、資産価値は今後も底堅いのです。一方で、郊外の一戸建ては、供給過多になり、資産価値が下がるのは間違いないでしょう」
一戸建ては木造住宅が多い。木造は耐用年数が22年と設定されており、資産価値の下落スピードが速い点からもおすすめできないそうだ。
次に「駅近」であること。できれば「駅から4分以内」が望ましいという。沖氏が主宰する「住まいサーフィン」の調査によると、「駅から4分以内の中古マンションは値下がり率が低い」という結果がある。高齢になって足腰が弱ったときに駅に近いことは便利だし、なおかつ都心までのアクセスがいいとくれば、超高齢社会を見越しても、間違いなく「駅近」物件への需要はなくならないだろう。
そしてマンションの中でも、「大規模」であること。できれば「タワーマンション」がいいという。規模が大きいほうが仕様がよく、買い手がつきやすい。そしてタワーマンションにはブランド力もある。数年住んで売却する際も、ブランドマンションなら、購買者の目を引くのは間違いない。実際に中古市場の騰落率もノーブランドのマンションよりいいそうだ。
「タワーマンションの場合は、低層階や北向きの物件がおすすめです。新築時の価格が低めに設定されているにもかかわらず、中古市場では新築時に比べて価格差がないためお買い得なんです」(沖氏)
さらに沖氏は、「今は新築よりも築浅の中古マンションを買うべき」と断言する。