「リフォームに目を向けてみるのはどうでしょう。間取りを変更することで、理想の家に近づけることができるかもしれません」(久谷氏)

いずれにせよ、2回目のマイホーム選びは、“身の丈を考える”ことが重要だと久谷氏は語る。

「一次取得の際は、家ありきで、『この家を買うためにはどうしたらいいのか』という考え方で進めても、ある程度は何とかなったかもしれません。しかし、年齢が上がってからは、家ありきでは危険です。予算から逆算し、どれくらいの家が購入可能なのかに軸をおいて考えるようにしましょう」

税金の支払いと特例の扱いに注意

もうひとつ一次取得と違う点が、税金の問題だ。税理士の池田里美氏は次のように話す。

「一次取得のときと違い、住み替えの場合は売却が伴うため、利益が出れば『税金』が発生する可能性があることを頭に入れておいてください」

売却金額から、取得した金額(取得費)、売却時にかかった費用を引いて利益が出れば原則、課税対象になる。気をつけたいのは、ほとんどの場合、取得費=購入金額とならないこと。建物は築年数に応じ「減価償却」されるからだ。購入金額から減価償却費を引いたものが取得費になる。高い金額で購入した物件でも、築年数が経っている場合は、取得費が低くなる可能性もあるので注意したい。もうひとつ、知っておきたいのは「特例」に関する内容だ。日本にはマイホームを購入することで優遇される、さまざまな税金の特例がある(図2)。

「マイホームであれば、売却時に3000万円まで利益が出ても税金がかからない『3000万円特別控除』という特例があります。その他、「軽減税率の特例」「買換え特例」「住宅ローン減税」などいろいろな特例があります。気をつけたいのは、特例には複数同時に使うことができないものもあること。例えば『3000万円特別控除』を使い数万円を節税したことで、『住宅ローン減税』が適用できなくなった、といったケースもありますので、要注意です」(池田氏)