リーダーは「イメージさせる」のが仕事
ここでリーダーに担ってほしい役割は、メンバーに対し、具体的にどうすればA社の新規契約を獲得できるかをイメージさせることです。
そこで、まずメンバーに「この結果を達成する人にふさわしいメンタルとはどのようなものだと思う?」と問いかけてみてください。するとメンバーは、「A社に提案する内容について、リーダーに相談する」「A社のところにまめに顔を出す」と答えるかもしれません。惜しいところまでいっていますが、掘り下げたいのは、もっと深いメンタルの部分です。
この場合、「『A社のところにまめに顔を出す』のにふさわしいメンタルってどんなもの?」とさらに聞きます。すると、「チームのメンバーと協力し合う心」「A社の業界の業界誌を読んで広く情報を集める意識」「感謝を忘れない気持ち」などが出てくるかもしれません。かなり抽象的ですが、まずはこれで十分です。
「結果を出すための方法」を考えさせるのは二流
立てた目標を達成する人のメンタルをまとめると、「メンバーと協力し合い、業界誌を読んで情報を集め、感謝を忘れない人」となるでしょう。ここまで掘り下げた共通認識ができれば、その実現に向けて、自然と努力できるようになります。
このように、メンバー自らの頭でしっかり考えさせることが重要なのです。二流のリーダーは「結果を出すための方法」ばかりを考えさせますが、一流のリーダーはまず「結果にふさわしいメンタル」を考えさせるのです。
鈴木颯人(すずき・はやと)
スポーツメンタルコーチ
1983年、イギリス生まれの東京育ち。Re‐Departure合同会社代表社員。サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、多くのアスリートのモチベーションを引き出すコーチングを行っている。
スポーツメンタルコーチ
1983年、イギリス生まれの東京育ち。Re‐Departure合同会社代表社員。サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、多くのアスリートのモチベーションを引き出すコーチングを行っている。
(写真=iStock.com)