新著が続々発売されました
(8)7月10日&17日配信号より抜粋――「韓国視察」
本来は板門店へ行くことが今回の視察の一番の目的だったのですが……またしても前日に米朝関係会合準備のためNGが出てしまい、行くことができませんでした。
代わりに、ではないですが仁川空港から北に数十分車で走った、北朝鮮との国境すぐそばの「烏頭山統一展望台」へ行くことができました。そこは望遠鏡をのぞけば、北朝鮮の町並みを見ることができる、韓国唯一の展望台なのです。韓国人でも外国人でも、だれでも数百円で入場することができます。
作りこまれた板門店とは違って、対岸の北朝鮮「宣伝村」の(おそらく)普通の国民の生活を見ることができます。自転車で農道を走ったり、運動場に集まっていたりする姿が見えたのが新鮮で、橋下はいつまでも望遠鏡をのぞき込んでいました
名前からしても、地理的にも、韓国側から見られることを意識して作った町なのかもしれませんが、それにしても質素で貧しそうな町並みです。見えるところでこれなのだから、南側から見えない実態はどれほどなのだろうと思ってしまいます。
漢江が海に流れるあたりで、一番狭いところでは北朝鮮側と460メートルしか離れていません。いつかこの川を自由に行き来できる日が来るのでしょうか。こちらの展望台は、仁川空港から近いので、観光スポットとしてもおススメです!
また今回の韓国出張では、韓国内で唯一外国人が入ることが出来る、「江原ランド」へ、賭博依存症対策の勉強に行って来ました。
ソウルから車で東へ4時間弱。それだけでも依存症対策になっている気がしますが、日曜だったその日は韓国中から物凄い数の来場者で賑わっていました。入場料は約900円と、日本で予定されている6000円よりかなりお手頃です。
ただ、連続で通える回数や頻度が決められており、併設の依存症センターでのデータ管理によって、依存症の疑いのある人の入場を厳しく制限していました。年間5000人ほどが「出入り禁止」になるようです。その出禁によって、依存症を克服した人が依存症センターでカウンセラーなどをして働いておられるそうです。
しかし、それでも施設の周りには質屋さんがずらり。特に車の質屋が目立ちました。近隣に住み着いてしまって帰らない(帰れない?)人がたくさんいるのだそうです。
依存症対策として厳しく取り締まっても、まだまだ追い付いてはいないのと、かつて大流行したパチンコが10年前から全廃されていることやカジノの国全体での総量制限(賭け額の上限)が需要にまったく足りていないことから、闇賭博に流れる人も相当数いるようです。
依存症センターのお話では、賭博依存症の治療法の8割は、アルコールや薬物依存症の治療と同じだそう。日本もカジノだけ取り締まっても意味がなく、賭博全体の依存症をケアする機関が必要だと思いました。