ワザあり!【3】
「リアルに想像」して相づちを打つべし
「相手が自分の話を退屈せずに聞いている」という感覚は、何より話し手を安心させる。そして、その安心感こそが次の話題を引き出す引き金になる。「心配せず何でも話していいのだ」「この人なら何でも受け止めてくれる」と感じさせるために必要なのが、「ちゃんと頷く」「いいリアクションをとる」という基本的な行為だ。注意して見ていると、「ふーん」「そうなんだ」などと薄い反応をする人はかなり多い。
この手の人たちには、「雑談を自分の力で盛り上げるのだ」という意識が欠落していると言っていいだろう。いいリアクションをとるために必要なのは、相手の話を「はっきり具体的に想像しながら聞く」ということ。
たとえば「ラーメン屋に15分もかけてランチを食べに行ったら休みだったんだよね」と言われたら、楽しみにしながら15分以上かけて歩く姿を想像する。さらに、店に着いたら「本日定休日」の張り紙があるシーンまでも思い浮かべる。すると、「せっかく遠くまで行ったのに残念でしたね!」「それは凹みますね~」という本心からの相づちが打てるのだ。「聞き手」には想像力が求められていると心得よう。
ワザあり!【4】
「オウム返し」は気持ちが動いたとき限定で
巷の雑談の本では「オウム返しが最良の相づち」かのように書かれているが、そうではない。興味もない話題に言葉だけ返しても、相手には「わかってもらえた」という実感がわかないからだ。また、オーバーにリアクションするほど白々しくなってしまう。人は、相手の表情や声のトーンから、思っている以上にいろいろなことを感じとるからだ。
とはいえ、すべてのオウム返しが悪いわけではない。本当に大きく感情が動いた瞬間のオウム返しであれば、相手は「わかってくれた!」と喜び、気分がよくなって、もっと話したくなるはずだ。たとえば、「最近ゴルフにハマってるんですよ」と言われて「ゴルフですか」とただオウム返しするのはNGだ。「実は自分も先月はじめたばかり」などタイムリーな共通点でもないかぎり、いささかやりすぎ感が出てしまう。
しかし、年配の男性から「最近お菓子作りにハマってて」と言われれば、「お菓子作るんですか!?」と素直に驚きの声が出てくるだろう。これがオウム返しのOKパターン。会話のテンポを乱さないためにも、「お菓子~!?」「ゴルフ~!」など、できるだけ短めにするのがコツである。