対人関係で悩んだときに、どんな解決策をとればいいのか。評論家の佐々木常夫氏と哲学者の岸見一郎氏。2人の達人に、5つの「場面別」でアドバイスを求めた。第4回は「セクハラを疑われた」について――。(全5回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年3月20日号)の掲載記事を再編集したものです。

【QUESTION】セクハラを疑われた

佐々木の答え:上司と、上司の上司にだけ無実をわかってもらえばいい

酒を飲んでタガが、外れないよう要注意

取り返しのつかないセクハラの多くは酒席で起こります。酒の席での失敗は高くつく。私は口が酸っぱくなるほど、部下に何度もいってきました。酒に弱い人や飲んで乱れがちな人は飲むなと。飲めると思う量の半分に抑えなさいといっています。

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セクハラ問題の難しいところは、同じ言動でも相手によって受け止め方が違う点。肩に手を置かれても、親しみの表れと好意的に取られることもあれば、生理的に耐え難いと思われることもある。ただ、ふつうのオジサンが何かすれば即セクハラになるでしょう。

もしも身に覚えのない疑惑をかけられた場合は、きちんと弁明しておかないと大変なことになります。ただし、周りの全員にわかってもらおうとしなくてもいい。たとえ「何かやらかしたらしい」と噂されても、直属ともうひとつ上の上司にだけは理解してもらえるように努めること。それ以外の人は大して影響力を持っていませんから。

ただし、酔った席での出来事だと、記憶が曖昧で己の身の潔白を自信を持って主張できないのが辛いところ。その意味でも、酒席は要注意です。

「ふつうのオジサンが何かすれば即セクハラ」