価値観を否定しても問題解決にならない
私が社会人になりたての頃は、上司が読んでいる本が気になり、同じ本を買って、「あっ、その本、自分も読みました」と言って話しかけてみることをしたりしていました。今は上司が、「何を読んでいるのかな?」「その本、実は読んだんだ」と若者に声をかけてつながっていく、そういう光景が自然になってきています。
自分の子どもや家族だと思うと、相手の好きなことに関心を寄せられるでしょう。職場であっても同じです。若いスタッフが入ってきたら、まずは関心を寄せて、その相手のことを理解しようとしましょう。
せっかく入社してくれたのに、「スマホゲームなんてくだらない」などと価値観を否定してしまうことで、結局辞められてしまうことにもなり得ます。これでは何の問題解決にもなりませんよね。「今どきの若者は会話もまともにできないなんて、どうしようもない」と無反応なことを嘆いて文句を言っていても現状は変わりません。上司のほうから若いスタッフたちの関心事について楽しんで知り、若者の心に寄り添っていきましょう。
鳥越恒一(とりごえ・こういち)
DIC幹部育成コンサルティング 社長
1973年生まれ。金融業、飲食業を経て2003年、株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ入社後、人財開発研究部の担当役員として部門を統括。2012年にDIC幹部育成コンサルティング株式会社を設立し、社長に就任。飲食・小売・サービス業のコンサルティングに従事し、これまでに延べ5万人以上の店長の悩みを聞いてきた。著書に『プロ店長 最強の仕事術』(日本経済新聞出版社)などがある。
DIC幹部育成コンサルティング 社長
1973年生まれ。金融業、飲食業を経て2003年、株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ入社後、人財開発研究部の担当役員として部門を統括。2012年にDIC幹部育成コンサルティング株式会社を設立し、社長に就任。飲食・小売・サービス業のコンサルティングに従事し、これまでに延べ5万人以上の店長の悩みを聞いてきた。著書に『プロ店長 最強の仕事術』(日本経済新聞出版社)などがある。
(写真=iStock.com)