共通の関心を示すことで関係を構築する

若手スタッフを大事な存在だと思えば、「大事なスタッフは何が好きなのだろう?」と関心を持つでしょう。スマホゲームが好きだとなったとき、「どこが楽しいのか、わからない」と思ったのであれば、それを否定せず、「どういうところが楽しいの?」と聞いてみればいいわけです。共通の関心をまず示すのです。自分なりに調べてみたり、一緒にやってみてもいいですね。

そうやって関係構築からしていけば、「上司は私のことをわかってくれようとしている」「私を人として尊重してくれる」と相手は感じてくれます。その気持ちがあってはじめて、「上司の話を聞こうかな」と思ってくれるのです。

関係構築ができないうちにあれこれ話しかけても、「はあ」や「ふーん」という返事をする程度で反応が薄いでしょう。それを、「無能な部下だ」「最近の子は覇気がない」などと言い捨てて終わりにしてしまっていては、生産性も上がらないですし、イライラするだけで、何もプラスはありません。

上司に「関心力」が求められる時代に

若いスタッフや社員を抱える上司は、「関心力」を高めておきましょう。若い新人スタッフや新入社員が入ることになったら、最初のオリエンテーションでは会社のルールや仕事の基本的な話も大切なのですが、それよりも相手が何に関心を持っているか、相手の趣味や関心事について話を聞く時間を設けてみましょう。「何が好きなの?」「それ、詳しく教えてくれないかな?」といったように関心があることを示すのです。

自分を認めてくれる人、自分が好きだと思う人、そういう人の話しか聞かない。これはつまり関心のない人の話に関心を持てないということであり、そういう人が増えている現状では、自分が相手に関心を持っていかないと何も始まらないということです。

以前は若者のほうに「関心力」が求められていました。会社の偉い人がゴルフをするなら一緒にゴルフに行ったり、釣りが好きなら釣りに付き合ったりと、そういう光景がよく見られました。しかし、今はそれが逆転している状態です。今、「関心力」が求められているのは若者ではなく、上司のほうなのです。