大義名分があれば人目は気にならない

人はなぜ、何かの宗教、イデオロギーの信者になるのでしょうか。その仕組みは、誰もがやるべきだと考える当たり前のことを、大義名分をつけてやらせるからです。大義名分を背負った瞬間、やるべきことが正義になるのです。

覚えておいてほしいのは、「人は自分の代弁者を常に求めている」ということです。普段言いたくても言えない、自分が感じていることを代わりに言ってくれる人が登場すれば、その人はリーダーとして人の上に立ちます。これがリーダーの定義です。

ほとんどの人は人目を気にして、思っている通りに行動することができません。それに対して、リーダーは人目を気にしません。それは、彼にとっての大義名分がしっかりとあるからです。

リーダーとはカリスマであり、カリスマにはアンチも大勢います。ネットで叩かれたり、「炎上」騒動があったりして、「オワコン(終わったコンテンツ)」と呼ばれることもしばしばです。しかし、カリスマと呼ばれる人たちが叩かれるのは当然のことで、常に仮想敵を作って、あえてそれと戦う姿勢を見せているからです。

カリスマに敵がいるのは当然

そもそも敵がいない人間は、カリスマとは呼べません。世の中の大勢の人たちを巻き込みたいのであれば、敵ができるのは当たり前です。

どんなに批判されても、いつもフラットな感情で、大義名分を持って、自分の価値観を打ち出すこと。同時に、「スピリチュアル」が備わっていることが、人を魅了する条件になります。

スピーキングのテクニックについては、すでにたくさんの本で語られています。だから、皆さんも技術だけであればいくらでも学ぶことができるでしょう。

しかし、皆さんの背後に大義名分があるかないかによって、聴衆に伝わるものが大きく変わってきます。だからこそ、組織的なものにせよ、自分1人の個人的なものにせよ、信じるべき理念、大義名分というものを必ず背負ってスピーキングすべきです。

小山竜央(こやま・たつお)
ライブクリエイト代表取締役
1982年、香川県生まれ。2005年、大手広告代理店に入社しSNS開発、ゲーム開発、マーケティングに携わる。その後、独立し、過去に培った知識を元に「ゲーム理論マーケティング」を取り入れた法人へのビジネス指導と、講演会を全国で開催。著書に『5分の使い方で人生は変わる』『スマホの5分で人生は変わる』(ともにKADOKAWA)、『なぜか、自動的に幸せになれる72の習慣』(サンマーク出版)、『ストーリー思考で奇跡が起きる』『神速スモール起業』(ともに大和書房)など多数。
(写真=iStock.com)
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