非常時に活きるのは、特別な備蓄より「調理スキル」

災害の種類、居住エリアによって、ダメージを受けるライフラインは異なります。電気、水、ガス、それぞれが絶たれた時を想定し、食材をどう確保して日常生活を取り戻していくかを考える必要があります。

今回の北海道胆振東部地震、熊本地震ともに、白米のほか小麦粉やホットケーキミックスなどの常備食材が活躍しました。ここから読み取れるのは、災害のためにあえて特別な食材の備蓄を行うことより、手元にある食材を活用し、限られた条件の中でも日常に近い形でおいしく調理する方法を知ることの方が重要だということです。「どんな食材でも万が一の時には活用できる」という意識があれば、突然の災害にも必要以上に慌てずにすむのではないでしょうか。

災害時には、ストレスが非常に高まります。そんな時こそ、なじみのある食材で料理を作ることやそれを共に食べることで得られる安心感が求められます。心がホッとする“いつもの食卓”を再現できることが、一日も早く日常生活を取り戻すための大きな足がかりになる。それが、今回の調査を通じて私たちが改めて感じたことです。

こうした知見は、創業から20年以上たった老舗サービスであること、そして災害大国日本だからこそ得られる、生き抜くための知恵です。クックパッドのグローバル拠点の担当者たちへも積極的に共有を始めており、今後各地で起こり得るあらゆる災害に備え、私たちにしかできない被災地支援の輪を世界中に広げていけたらと考えています。

福井千尋(ふくい・ちひろ)
クックパッドニュース 編集責任者
1976年生まれ。2000年より、人材ビジネス企業にて転職サイトの企画・運営、キャリア・転職をテーマにしたオウンドメディアの立ち上げ・編集に携わり、のべ1500名以上のビジネスパーソンの取材に従事。2018年6月、クックパッドへ入社。編集部 編集グループ グループ長として、同社のオウンドメディア「クックパッドニュース」の編集責任者を務める。
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