「2007年問題」が現実化する2007年、各企業の課題の一つは、団塊世代の退職によって断絶される技術の継承である。この問題の本質は、職場で上司から部下へ、知識やノウハウの伝授がなされなくなっていることだ。

なぜ、「教える―教えられる」という、かつてはうまく機能していた関係が壊れてしまったのか。知識・情報量の増加にともなって仕事の細分化が進むなか、特定分野について上司より詳しいだけで「プロフェッショナル」と勘違いをする若者もいる。また、「いまの若い人は個人主義を徹底していて、(上司が)飲みに誘うにも事前にアポを入れなくては」という話も聞いた。教わる側にも問題があるのではないか。