業績の伸びは「働きやすさ」だけでは果たせない
同所では「働きがいのある会社ランキング」の参加企業を「働きやすさ」と「やりがい」の2つの指標によって4分類し、売上高の対前年伸び率の違いを出している。
「働きやすさ」はその会社のワークライフバランス、労働環境の整備、福利厚生の度合いを示す。一方の「やりがい」は経営・管理者層への信頼、仕事への誇りや意味づけ、連帯感や一体感など仕事に対するモチベーションの度合いによる。それぞれを得点化し、2つの指標の高低によって、以下の4つのタイプに分類している。
A:いきいき職場(働きやすく、やりがいもある)
B:ばりばり職場(働きやすさはないが、やりがいはある)
C:ぬるま湯職場(働きやすいが、やりがいがない)
D:しょんぼり職場(働きやすさはなく、やりがいもない)
「働きやすいが、やりがいがない」企業は業績伸びず
この4つの職場タイプに分類された企業群について、売上高(2017年度)の対前年伸び率の平均値を算出すると以下のようになっている。
1位:A「いきいき職場」43.6%
2位:B「ばりばり職場」22.0%
3位:D「しょんぼり職場」6.5%
4位:C「ぬるま湯職場」6.0%
Aのように「働きやすく、やりがいもある」と従業員が感じていれば、仕事もおもしろく一生懸命に働くだろうし、結果として業績が伸びるのはうなずける。反対に、Dのように「働きやすさはなく、やりがいもない」のであれば、それほど業績が振るわないのも理解できる。
意外だったのは、Cのような「働きやすいが、やりがいがない」という企業は業績があまり伸びていないのに対し、Bのような「働きやすさはないが、やりがいはある」という企業は、それなりに業績が伸びている点だ。