大手旅行会社や老人施設とのBtoB案件も舞い込んだ

54歳での起業だったが、その前の1年間、警備会社勤務の副業としてトライアル期間を設けた。出身の天草の親戚や友人、地元商工会議所などに働きかけ、試験的に利用してもらったのだ。

「この結果、確実にニーズがあり、しかも感謝の印として謝礼もいただけ、自分にもできるという3つのことがわかりました。副業という事前リサーチのおかげで、リスクを軽減できました」

資本金は50万円。約27万円の登記費用のほかは、レンタルオフィス代、ノートパソコンを新調した代金程度。会社のランニングコストも月4万円ほどで、かなり切り詰めた“自営型起業”だ。

社員は松下さん1人。「厚生年金と社会保険に加入するため、自身の給料を最低賃金ベースの6万8000円に抑えました。空いた時間に行うチラシ制作のアルバイトなどで、現役時代の生活水準は維持しています」と松下さん。

創業以来3期連続の赤字だが、今期はようやく収支トントンの見込み。16年、大手旅行会社から提携話が舞い込み、結果的に話は流れたものの、老人施設を介して入居者の墓参などを手伝う「BtoB事業」も模索し始めた。

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(撮影=加々美義人)