「おそらく、申請された検定はほぼ認定されるでしょう」(渡辺氏)
“話す”試験はマイク付きヘッドセットを着用しパソコンに向かって解答(図2参照)。その音声データは米国などに送られ、複数の採点者やコンピュータによって判定される。
しかし、たとえばTOEFLなどに対し、教育指導要領に沿っていない、受験料も難易度も高すぎるといった声もあった。しかし、英語塾キャタルの三石郷史代表が言う。
「そもそも4技能を導入する理由は、日本の英語教育がグローバルスタンダードから取り残されていることが大問題だからです。国際的な認知度が最も高いTOEFL iBTを、外すわけにはいきません」
TOEFLを目標に勉強すれば、大学入学後も生かせるというわけだ。
「トップクラスの高校生にとっては、このテストで高スコアを目指すことが最終的なゴールになるでしょう。『使える英語』が身につくという点でも申し分ありません」(三石氏)
では、4技能を問う英語テストは実際にどう活用されるのか。ここではまず、学習指導要領が変更されることに注意しよう。新たに導入される「共通テスト」では、現行の学習指導要領で学ぶ生徒が受験する20~23年度と、次期学習指導要領で学ぶ生徒が受験する24年度以降では、出題や解答方法などの制度設計に違いが生じる。つまり、目先の20~23年度はいわば“移行期間”である。
「この間、現役受験生は共通テストの一環としての民間検定を、高3の4~12月に2回まで受験できます(図3参照)。同種を2回受けても、異なる2種でもOK」(渡辺氏)