顧客側担当者を動かすための情報収集

自分が会いたいと考えている経営者の日頃の行動ぶりや日程・行き先の傾向、特徴的な言動について、できるかぎり情報収集することです。会社のホームページ、プレスリリースのチェックから雑誌のインタビュー記事、新聞やネット上の小さな記事、SNSまで、丁寧に目を通していけば、さまざまなことを知ることができるでしょう。

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その情報収集は、「経営トップが参加するイベント等の中にアプローチのチャンスを見つけること」につな繋がってきます。

お客様の経営トップに関する情報をできるかぎり幅広く把握しておくことは、相手担当者への“おみやげ”としても有効です。現場で日々の業務に追われていると、案外、社内の情報に盲点ができるものです。訪ねて来た営業パーソンが、自分が見逃していた自社経営トップの動向や雑誌等での最近の発言を教えてくれるなら、歓迎すべき存在となるでしょう。

営業マンパーソンの立場から言えば、次のように語ることができます。

「御社の社長さんが業務改革の必要性に言及されているインタビュー記事を先日目にしましたが、遠からず現場にその計画が下りてくるのでは。われわれは社長さんとお話しできたら、そのへんもぜひ伺いたいと考えているのですが、Aさんにとっても、このタイミングで、計画の具体化にせんだって社長さんの考えを知っておければ、お仕事が進めやすくなるのでは?」

経営トップへの面会依頼が、相手担当者にとっても価値ある申し出であるということを、言葉として表現することが大切です。

5.「よろしければ」ではなく、「ぜひ」と言う

最後の5番目のコツは、言葉遣いに注意を、です。アポイントを取る時に、へりくだった表現をする人は少なくありません。「よろしければ」「恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」「こんなこと申し上げるのは失礼ですが」――等々。特に、話している相手が企業上層部の人間であるほど、これらの言葉が連発されがちです。

その言葉を「ぜひ」に置き換えるだけで、印象はだいぶ変わってきます。人の心理というのは不思議なもので、「よろしければ」と言われると、よろしくない理由を考えたくなったり、「失礼ですが」と前置きされたりすると、「ああそうか、確かにこれは失礼なことかもしれない」と、考えてもいなかったことが逆に意識されてしまうものです。

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(写真=iStock.com)