少しの想像力が、対人恐怖症を助ける

舞台を前に緊張している人によく言われる言葉に「観客が全員パンツ一丁だと思え」というのがある。対人恐怖症に悩んでいるなら、周りの人が全員パンツ一丁だと思えばいいかもしれない――ちょっと想像してみればいいのだ。自分のことばかり考えてしまうのをやめて(「みんなわたしのことを好き? わたしってバカ?」)、他の人がどう思っているかを考えられるようになる。

周りの人だって緊張しているかもしれないし、外向的なふりや、楽しいふりをしているだけかもしれない、もしかしたら今日は1日ついてないなと思っているかもしれない。あるいは、みなあなたといることが本当に楽しくて、あなたのことをすごくカッコいいと思っているかもしれない。いっそ、それを楽しんでみたらどうだろう? 身振り手振りから推測したり、他の人のしぐさをマネすることで、友達が増えたり、他人にいい印象を与えることもできる。それに、人を見ていれば自分の頭の中に閉じこもらずにすむ。

不安と戦い、それが仕事に影響しはしないかと思い悩んでいるなら、他の人の悩みに気づくこともできるだろう。相手はもしかしたら今日子どもが生まれるのかもしれないし、骨折しているのかもしれない。相手に手を差しのべることは、自分に手を差しのべてもらうことでもあり、それが健全な、お互いに共感しあえる職場につながっていくのだ。

モラ・アーロンズ=ミリ
女性をターゲットにしたデジタルマーケティング社、ウィメン・オンラインの創設者。ブラウン大学、ハーバード大学ケネディスクール卒業。20代の頃より業界で注目を浴びるものの、外向的に自分を取り繕っていたことで心労が絶えず、30歳までに9回転職する。現在では、自分に合った働き方を見直し、自宅で働くスタイルを選択している。
(写真=iStock.com)
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