当たり前といえば当たり前の話だが、これを成功確率1%の仕事に置き換えて考えてみる。1回の挑戦で成功しない確率は、「1-100分の1=100分の99(99%)」。絶望的な数字である。
ところが、同様に計算していくと、100回、200回と挑戦を続ければ、400回ではなんと成功確率が98.20%になるのだ。まさに、「継続は成功への近道」ということが確率から証明できたといえるのではないか。
ミドリムシで注目されるベンチャー企業のユーグレナは、創業3年目の2008年に倒産の危機に陥ったそうだ。そこで出雲充社長は出資者や提携先を探して企業訪問するも相手にしてもらえず、ようやく出資と提携にたどりついた伊藤忠商事は、実に501社目だったという。先ほどの成功確率1%の仕事の例でいうと、500回足を運べば少なくても1回成功する確率は99.34%で、出雲社長はまさに成功確率1%の仕事を成し遂げたといえよう。
パナソニックの創業者である松下幸之助氏は「成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないこと」という言葉を残しているが、もしかすると幸之助氏も、この確率を頭の中で計算していたのかもしれない。
野口哲典
ライター
1958年、愛知県生まれ。東海大学卒業。市場調査会社を経て、ライターとして独立。『数字のウソを見抜く』など数学に関する著書多数。講演も精力的に行っている。
ライター
1958年、愛知県生まれ。東海大学卒業。市場調査会社を経て、ライターとして独立。『数字のウソを見抜く』など数学に関する著書多数。講演も精力的に行っている。
(構成=田之上 信)