降水確率はどのように計算して出すか?
謎々を1つ。私たちが毎日見聞きしている最も身近な確率って、一体何でしょうか?
その答えは「降水確率」。ほとんどの人が朝起きて、テレビや新聞の天気予報で「今日の降水確率は」と確認する。カバンのなかに傘を入れていくかいかないか、それを判断するために。
でも、降水確率とはどのような確率なのか、その意味を知っている人って、一体どれくらいいるのだろう。確率だから、何か2つの比であるはず。では、何と何の比なのか? きちんと答えられる人は、少ないのではないか。気象予報士が解説をしていることも、ほとんど聞いたことがない。
気圧などの観測に基づいて予想天気図が作成される。過去にその天気図に示されたのと同じ大気の状態になったとき、実際に何回雨が降ったのかを計算したものが降水確率なのだ。つまり「降水確率=雨の降った回数÷過去に同じ大気の状態になった回数」である。
ここで注意したいのは、「一定の時間内に1mm以上の雨または雪が降ること」という「降水」の定義。「降水確率100%」というと土砂降りを想像するかもしれないが、実際は霧雨ということもありうるのだ。
また、降水確率は0~100%まで、1%の位は四捨五入で10%刻みで発表される。ということは「降水確率0%」といっても、実際は「0から5%未満」であり、絶対に降らないということを意味しているわけではない。でも、万が一降られたとしても、「仕方がないか」で済むはずだ。
問題は「降水確率40%」といったときである。傘を持っていくべきかどうか、大いに悩む。実はそのとき、「傘を持っていくとカバンがかさばるし、重い」というコスト(負担)と、「雨に濡れたら不快だし、服を乾かすのが面倒」というコストを、無意識のうちに頭のなかで天秤に掛けているのである。だったら、確率を使って各コストを計算すればよい。