中国語には、ら行で始まる単語がたくさんある。日本には元来「ら行」で始まる言葉はなかったが、奈良時代以降に中国の言葉を学んでいった結果、「ら行」が語頭に来ても発音できるようになったという。

ちなみに、日本語には濁音から始まる言葉も全体的に少ない。これも本来の日本語の特徴によるもので、濁音で始まる語句はたいてい、漢語か外来語である。

「北極」と「南極」はどちらが寒い?

「北極」と「南極」といえば、地球上でも有数の寒さを誇る場所である。この2カ所を比べた場合、はたしてどちらが寒いのだろうか。

北半球に暮らす日本人は、「北海道=寒い」「沖縄=暖かい」と思うように、北にある北極のほうが寒いと考えがちである。だが、じつは南極のほうが寒いのだ。

北極の冬の平均気温がマイナス25度なのに対し、南極の冬の気温はマイナス50~60度。世界最低気温であるマイナス89.2度という記録も、1983年7月22日、南極にあるソ連(現在のロシア)のボストーク基地で観測されている。この違いは、北極が北極海に浮かぶ氷の上にあり、南極が大陸を覆う厚い氷の上にあるという理由からきている。南極の陸上にある氷の厚さは平均2450メートル。もっとも厚い部分では4000メートル以上に達する。地面と氷の境目あたりはほぼ0度だが、地面の熱が氷の表面まで上がってくる途中で、すっかり冷えてしまう。

一方、北極の氷の厚さは10メートル程度で、その下には海水が流れている。海水の温度は、氷よりも暖かいマイナス1.8度。海水の熱が下から伝わり、氷の表面を温めるため、南極ほど気温が下がらないというわけだ。

図版:KADOKAWA

クモが自分の糸に絡まない理由

クモは体から出す糸で、産卵のために巣を作ったり、獲物を捕らえたり、葉や枝に絡めて移動したりする。この糸は、体内で分泌されたたんぱく質の一種で、外に出て空気に触れると固まって糸になる。

クモの糸に触れると、体に絡まって動きにくくなってしまう。ところが、クモは移動の時などに糸に触れても絡まることがない。

その理由は、糸の種類をうまく使い分けているから。クモが糸で作る網を観察してみると、粘りのあるのは横糸だけで、縦糸には粘りがないのがわかる。クモは移動する時に、このうちの粘りのない縦糸を伝って歩く。そのため、自分の糸に絡まることがないのだ。