二流上司は自己保身で二流部下を高く評価してしまう

このとき上司が一流なら当然、この部下を高く評価する。ところが二流の上司だと、自分の考えを理路整然と語る部下よりも、困り切って自分に指示を仰ぎ、言ったとおりに行動した結果、「うまくいきました!」と喜んでいる部下のほうがかわいい。自己保身もあいまって、二流の部下を高く評価してしまうという。

「この部下なら将来にわたって自分の地位を脅かすことはないと安堵し、能力の低い部下のほうを抜擢することがよくあります」

たとえ「一流である」と認められる人でも、会社で出世したいのであれば上司が一流か二流かで対応を変える必要がありそうだ。

▼一流:A・Bのうち、Aのほうがいいと思います
仮説を伝える
状況報告にとどまらず、「AとBの2つの道があります」と取りうる複数の選択肢を示したうえで、「Aのほうが現在の課題を解決できる可能性が高いと思います。なぜならば……」と、きちんと裏付けのある仮説を述べる。


▼二流:A・Bのうち、どちらを選べばいいですか
状況を正しく報告
まず上司に現状を詳細に報告する。そのうえで「AとBのどちらを選べばいいでしょうか?」と判断を委ねるのはまだいいほうで、「どうしたらよいかわかりません……」と判断を投げ出してしまう三流、四流の人もいる。

酒巻 久(さかまき・ひさし)
キヤノン電子代表取締役社長
1940年、栃木県生まれ。67年キヤノン入社。96年常務取締役生産部長。99年より現職。環境経営の徹底で6年で売上高経常利益率10%超の高収益企業へと成長させる。著書に『見抜く力 リーダーは本質を見極めよ』など。
(撮影=竹中祥平 写真=iStock.com)
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