政権側が「面会がない」との根拠を示せ

4月12日付の毎日新聞の実に分かりやすい。

その書き出しは「求められているのは基礎的な事実の確定である。首相秘書官が愛媛県の担当者らと面会したのか、しなかったのか。見解の相違で済ますわけにはいかない」で、見出しも「加計文書に『コメントせず』 首相答弁は、やはり苦しい」である。

毎日社説は「一般に裁判では、記憶に基づく証言より文書記録の方が証拠能力が高いとされる。県側が記録に残した面会の事実が『なかった』と言うなら、政権側はその根拠を示すべきだ」と主張する。

安倍首相が「首相秘書官と愛媛県職員との面会がなかった」という証拠をきちんと示せば、国民は納得する。9月の自民党総裁選にも、胸を張って名乗りをあげることができるだろう。

自分に不利な文書にはコメントもしないご都合主義

さらに毎日社説は安倍首相の矛盾点を追及しながら社論を展開していく。

「この問題では、首相と学園理事長が友人であることを理由に政権側が便宜を図った疑いがもたれている。今治市が国家戦略特区に申請する2カ月前にこの面会があったかどうかは問題の核心部分である」

安倍首相は加計学園の計画を「2017年1月20日に初めて把握した」と国会で説明してきた。愛媛県の面会記録の記述が事実ならば、安倍首相のこれまでの答弁はうそになる。

毎日社説は「愛媛県が『加計ありき』で長年、獣医学部の誘致に取り組んできたと加戸守行前知事が発言したとき、首相はそれを積極的に引用し、首相の関与を疑うメディアへの攻撃材料にも使った。自分に不利な文書にはコメントもしないというのは、ご都合主義ではないか」

これもその通りである。安倍首相にはこれまでも自分の主義主張と違う新聞やテレビを攻撃してきた。安倍首相の鼎の軽重が問われている。

終盤で毎日社説はこうも指摘する。

「いくら記録文書が見つかっても、言った、言わないの水掛け論で終わる状況が1年近く続いている。今回もそうなるなら、国民の政治不信に拍車がかかるだろう」

これもまったくその通りであり、沙鴎一歩は賛成する。

(写真=時事通信フォト)
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