子供を「上流ロード」に乗せるには、なにが有効なのか。「プレジデント」(2017年2月13日号)では、子育てをめぐる13のテーマについて識者にアドバイスを求めました。第4回のテーマは「大企業への就職」です――。
「大卒」よりはるかに学費が安くあがる
中学卒業後、高校の普通科から大学を目指すのではなく、5年制の高等専門学校(高専)という選択肢が注目されているが、「なりたい自分になれる高専」というキャッチフレーズを掲げる明石工業高等専門学校では、進学でも就職でも、生涯設計に即した進路を選択できるのが大きな特徴だ。
75%の卒業生が専攻科、および大学の3年生に進学しており、東大、京大、阪大、神大、九大、北大、筑波大、東工大などへの編入実績がある。
一方、就職希望者の就職率は、ほぼ100%。ここ数年NHK、ANA、JR西日本、トヨタ、川崎重工、関西電力、電源開発など、安定した就職ルートを保ち続けている。高専から三菱・三井など財閥系や大企業グループへの就職は少なくない。
高専の受験偏差値には、立地などの環境が大きく作用するが、おおむね50台後半から60台。本校は68ある。ただOBに聞く限り、就職先で便利屋扱いされたり、大卒より給与が低いとされることが難点といえば難点だ。
一般的に学費が安いのも、高専の特徴だ。学士取得までを比べると、理系の国立・私立大学の4年間の学費に比べ、高専本科+理系国立大、さらに高専本科+専攻科のほうがずっと安い。