海外のボーディングスクールにわが子を放り込む
これまで多くの富裕層が「子供は東大か京大へ」と願ってきました。しかし近年、そのゴールは国内にとどまらず、アメリカなら「アイビーリーグ」、イギリスなら「オックスブリッジ」といった海外の名門大学にまで広がっているのです。
そうなると中学・高校は、アメリカなら「10スクール」、イギリスなら「ザ・ナイン」と呼ばれるトップ校を目指そうとなります。あるいは世界的な大富豪や超大物の財界人、政治家、芸術家、王族の子供たちとの人脈づくりにも期待して、スイスの名門校を目指す人もいます。
その時点である程度の英語力を求められることもありますので、「中学を卒業して海外へ行くのでは遅い」という認識が広まりました。小学校低学年から準備を始め、小学生のうちから海外のボーディングスクール(全寮制の寄宿学校)に子供を預ける富裕層も珍しくありません。
では、富裕層の子供たちがなぜ海外を目指すのかといえば、「英語力を身につけさせたい」という親御さんの意向が大きいといえます。ビジネスの舞台で英語が話せず苦労をした経験がある親御さんならなおさらです。日常英会話にとどまらず、ディベートや交渉ごとまで英語を使えるようになるには、やはり日本にいるより海外でと考えているのではないでしょうか。
もし、中高生の年代で有名なボーディングスクールに入れれば、そこには世界中から富裕層の子供たちが集まってきます。宗教観も価値観もまったく違う相手とうまく付き合わなければいけませんので、コミュニケーション能力、折衝力、自己解決能力が磨かれ、自然にグローバル能力が養われるわけです。
しかも将来、世界中の各地で活躍するエリートや、国や地域を背負うことになるであろう子供たちと強固なネットワークが築けます。ビジネスにおいても、プライベートにおいても、これほど心強い財産はないでしょう。